今週末に高校生英語ディベート大会を開催しました。

私は主にディベートのジャッジの手配、試合運行、対戦表の作成、勝敗と順位の確認・発表等を行いました。

決勝進出チームの発表後、大会本部に参加チームの顧問の方がいらして、以下の質問をされました。

「うちの高校のこの試合なんですけど、獲得ポイントが相手チームよりも高いのに、試合には負けています。これで宜しいんでしょうか?」

大会でのディベートの試合は、通常、ballot sheetと呼ばれるチームごとの得点表があり、ジャッジは、分析、理由付け、反対尋問、証拠資料、スピーチの仕方等、その大会で決められた項目にポイントを付け、同時にその試合の勝者を記入することになっています。

多くの場合は、合計ポイントが高いチームがその試合の勝者になりますが、希に合計得点の低いチームが勝ってしまうこともあります。

これは、ディベートの試合は、スピーチの大会などとは審査の方法が異なるからです。

スピーチコンテストなどですと、ジャッジは前述のバロットシートに得点を記入し、それをもとにスピーカーの順位を決定します。

順位はあくまでもスピーチを行うことで得たポイントで評価されるからです。

しかしディベートは違います。

ディベートの勝敗は、各チームのポイントではなく、論題が肯定されたか否定されたかで決まります。

つまり試合を最後まで見て、肯定側の支持する論題・プランから発生するメリットと否定側から提出されたデメリットを比べて、ジャッジがメリットの方がデメリットを上回ると判断すれば肯定側、デメリットがメリットと同等あるいは上回ると判断すれば否定側の勝ちとなります。

非常に説明を単純化した勝敗の決定方法ですが、基本的にはディベートの試合における勝敗は、そのように決定されます。

アカデミック・ディベートは、話し方、ユーモア等のスピーチスタイルではなく、あくまでも双方の議論の内容だけで判断されるわけです。

ですから、例えば、一方のチームのスピーチ力が相手を大きく上回り、高得点を得ながら、議論内容としては相手チームの方が僅かに勝っていた、などという場合には、合計ポイントの少ない方が、試合としては相手を下して勝者となるということが、希に、というか、実はしばしば起こることになります。

ディベートの判定の出し方を十分に理解していないと、

「ポイントと勝敗が合っていないなんて!」

と思われるかも知れませんが、ディベートが内容に重きを置いている以上、この判定システムの採択は、ディベート・コミュニティーに当然のこととして受け止められているのです。

もちろんディベートの判定システムについて、理論的には他の考え方もあるのですが、現在主流の考え方は上記の通りです。

ということで、ディベーター諸氏は、以上を十分理解して、試合に臨まれると宜しいと思います。

Tags: , , ,

1件のコメント on ディベートの得点と勝敗

  1. くま より:

    同じような話で、例えば5人のジャッジの投票が5対0となった場合、圧勝と思われることがよくありますが、必ずしもそうとは限らないですよね。
    「非常に微妙な差だけれども、上回っているとしたらこちら」という判断が一致しただけということはありますから。

コメントを残す